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3PCA 18 日目: Cloaking

Intro

このエントリは、 3rd Party Cookie Advent Calendar の 18 日目である。

今日は、 ITP の迂回で注目された Cloaking について解説する。

Cloaking

これが今、トラッカーが最も期待している 3rd Party Cookie の迂回技術だろう。

例えば、広告やアナリティクスなどなんらかのトラッカーを 3rd Party として利用している場合は、今後 3rd Party Cookie での連携ができなくなる。

そこで、そのトラッカーサービス自体を自分のサブドメインで運用してしまえば、 eTLD+1 が同じになり、 1st Party で連携できる。つまり example.com に対して analytics.example.com にトラッカーをデプロイしてしまえば、両者は SameSite になるといった手法だ。

しかし、自分でトラッカーになるサービスをデプロイ/メンテするのは負荷が高いため、ドメインを業者に預け、そこにデプロイしてもらう方が運用する側は楽だ。

ここで用いられるのが Cloaking だ。方法はいくつかある。

CNAME Cloaking

まず最初に用いられたのは、CNAME を用いる方法だ。

例えば、 ads.example が提供しているトラッカーを、 analytics.example.com にデプロイし、 example.com と SameSite にしたい場合、 DNS を以下のように設定する。

analytics.example.com.    IN    CNAME    deadbeef.ads.example.

CNAME で事業者のレコードを参照すれば、そのサブドメインを事業者が運用できるのだ。このように CNAME を預ける方法を CNAME Cloaking (コート預けるクロークのこと)と言う。

これは ITP 迂回の筆頭として問題になったので、 Safari ではもちろん対策がされている。CNAME の先を辿って、最終的に 3rd Party だったら付与された Cookie を短命にするといったものだ。

IP Cloaking

CNAME では Safari にバレてしまうため、次にトラッカーが考えたのがこれを IP にしてしまう IP Cloaking だ。

単純に、トラッカーのサービスの IP を設定するというものだ。

analytics.example.com.    IN    A    203.0.113.10

大手のトラッカーであれば、 IP がバレるとトラッカー判定されるかもしれないが、事業者が小さければこの方法は判定が難しい。

しかし、トラッカー側にとっては、 IP を変えることができないといった運用上の制限が発生する。

NS Cloaking

そこでさらに考えられるのが NS の Cloaking だ。

これは、例えば *.analytics.example.com のサブドメインを、丸ごとトラッカーに移譲してしまうというものだ。

analytics.example.com.    IN    NS    dns.ads.example.

これで、トラッカーはトラッキングサービスの運用をある程度自由に行うことができる。

この場合、規模の大きいトラッカーの DNS を丸ごとトラッカー判定するといったことは原理上可能と思われるが、実際にそうした対策が行われているかは不明だ。

Cloaking のリスク

ドメインオーナーにとっては、一部であれ自分のドメインの管理を外部に移譲することになる。

もし悪質な業者であれば、自社のドメインの上に何か悪質なコンテンツを公開したり、 Domain 属性が指定された正規の Cookie を盗むといったことも、不可能ではない。

Web だけでなく、例えばメールなども含めて、もしそのドメインが悪質なものと判定されれば、そのリスクはサービス全体に及ぶだろう。

事業者にドメインを乗っ取られたり、ドメインの価値が毀損されれば、それは 3rd Party Cookie を使えなくなることよりも、大きな損失を生むかもしれない。

いずれにせよ、安易に選ぶべき方法ではないだろう。