1Password AC #6: Business アカウント特典の無料 Family アカウント
Intro
このエントリは、1Password Advent Calendar の 6 日目である。
- 1Password - Qiita Advent Calendar 2025 - Qiita
このシリーズでは、組織において 1Password Business を運用する上での考慮点を解説していく。
- 1Password Business 運用ガイド素案 - Google ドキュメント
ここでは、1Password Business アカウントに付随する、Family アカウントの無料特典について解説する。
要するに、Business アカウントに参加している間は、1Password を無料で使えるという意味だ。
Family Plan 特典
1Password は、個人のプランでも $3/月の有料プランしかない。
- 最高のパスワードマネージャーの料金プラン | 1Password
このため、1Password ではなく、別の無料ツールなどを使っている人もいるだろう。
しかし、もし 1 つでも 1Password Business を運用している組織に参加し、ビジネスアカウントを発行された場合、以下のようなバナーが表示される。
書かれている通り、無料で Family アカウントが作成できるのだ。
無料 Family アカウントを作る
Family アカウントは、本来 $5/月のプランで、最大 5 人の家族を追加できる。
1 つでも Business アカウントに加入していれば、それだけでこのプランが無料になるのだ。
しかも、新しくアカウントを作ることも、既存のアカウントを移行することもできる。
つまり、こうだ。
-
1Password を個人で使っていなかったユーザ
- Business アカウントと同時に個人のアカウントも手に入る
- 私用/業務用アイテムを分離できる
- 企業にいる間は無料で使える
-
1Password を個人で使っていたユーザ
- 移行することで無料にできる
- Individual だったユーザはアップグレードできる
Family プランは 5 人まで追加できるだけで、それを 1 人で使っても問題ない。
もちろん、Business アカウントを離れたら自分で払う必要はあるが、少なくとも既に使っているユーザにとってはメリットしかない。
連携する側も、管理者に個人のアイテムやメールアドレスが見られるのでは、家族構成が知られてしまうのでは、などの懸念もあるだろうが、管理者がわかるのはアクティビティログに「このアカウントがファミリーアカウントを連携した」というイベントだけだ。個人アカウントを連携する場合もイベントは同じなので、情報量は特にない。
管理者は推奨すべき
これは、Family プラン分の請求が企業に行くというわけではなく、単に連携した個人への請求がなくなるという、太っ腹な設計だ。
そして、連携したところで、管理者がその個人アカウントを管理するようになるわけでもなく、特に負荷は増えない。
むしろ、Business アカウントを提供する側としては、「私用のアイテム」と「業務用のアイテム」は分けてほしいところだろう。退職時に Business アカウント側を削除した際に、「個人のアイテムも消された」などとトラブルになることは避けたい。
つまり、Business アカウントを付与したユーザには、個人アカウントも必ず追加し、マルチアカウントで運用してもらうのが望ましい。その際の個人アカウントの課金はどちらが払うのか、といった問題は、この特典によって解消しているため、積極的に登録を促すことができる。
企業として社員に「1Password 導入補助」などの形で、個別に Individual Plan を補助しているような運用の場合もあるだろう。もちろん Individual よりも Business の方が高いが、大規模ならボリュームディスカウントもあるようなので、企業提供に切り替えてしまう手もあるかもしれない。
Outro
1Password のプランや製品の設計には、細かいところで管理者や利用者にとって嬉しい部分が多くある。
その良さを啓蒙しようとしたが、今回は特に営業トークのようになってしまった。
何度も言うが、筆者と 1Password に利害関係はない。AgileBits に頼まれて書いているわけでもない。
単に Business Plan を検証している中で、もっと知られてよいと思った点を解説しているに過ぎないことに注意されたい。